私は新卒1年目から400万円の借金を抱えるという、新卒1年目から400万円の借金を抱えるという、にわかには信じがたい体験をしました。
新卒1年目からこのような借金を抱えてしまったにもかかわらず、なぜか興奮していた当時の自分は、今振り返ると冷静ではなかったと思います。
400万円の借金の他に奨学金も380万円あったため、実質的には780万円の借金を抱えていました。
多くの人は絶望するかもしれません。私も現実と向き合った時に絶望しましたが、なんとか10年で完済できました。
債務整理せずに本業の給料と副業収入だけで400万円という途方もない借金を完済。
今回は、その体験談をお話します。
借金に苦しんでいる人は、ぜひ自分の状況に置き換えて参考にしてほしいです。
なぜ400万円の借金を抱えたのか?
なぜ莫大な借金を抱えてしまったのでしょうか?
それは、知り合いを信じて事業に投資してしまったからです。普通ならこんな投資をしませんが、その時の私は病んでいました。
新卒で入った会社がとんだブラック企業だったからです。
コンプライアンスや倫理観が崩壊した上場企業
私は大学院卒業後に新卒でとある製造業に就職しました。
就職活動はうまくいかず、何度もエントリーシートや面接で不採用となり、ようやく内定を得たのがその会社でした。
内定をもらった際、「もう就職活動は終わりにしたい…」という安易な気持ちで内定を承諾し入社を決めたのが、不運の始まりでした。
入社する前はウキウキしていたが、田舎の工場に配属されてすぐに絶望しました。
本社は東京にあるが、工場はとある地方に点在していました。工場周辺には何もなく、田んぼや山だらけ。
工場にいる社員も生まれた時からその土地に住んでいて、田舎ならではの考えに染まった人ばかりでした。
その地方では、都会ほどコンプライアンスや倫理観が重視されていないように感じました。
「恋人はいるの?」などコンプラ違反の発言は当たり前で、飲み会の場では上司が女性社員に「彼氏とラブホテルに行ったことある?」というセクハラなんて日常茶飯事です。
工場内も倫理観が崩壊しており、既婚者がダブル不倫するのも当たり前でした。
人事から聞いた話では、他の営業所では派遣社員の女性が複数の男性社員から性的暴行を受けたという噂もあるほど、深刻な状況でした。
配属された部署の仕事内容は不満はなかったものの、田舎の閉塞感とコンプラ無視の雰囲気にウンザリでした。
「もうこの会社終わってるやん…」
絶望の社会人生活を送っていた時に提案されたのは、新規事業に投資する話でした。
新規事業にカードローンで300万円借りて投資
新規事業の話をしてきたのは、小学生からお世話になった塾にいる知り合いです。
学生時代から何度も面識があり、顔見知りでした。
今となっては、それほど親しいわけでもない相手に350万円もの大金を渡すなど考えられませんが、当時は正常な判断力を失っていたのだと思います。
新規事業というのはアダルト系のライブチャットを新しく作って、そこで稼いだ資金で他のビジネスにも投資するというもの。ただし、ライブチャットに関してはまだ企画段階でシステム構築すらしていません。
問題点が多すぎる事業計画でしたが、病んでいた私はなぜか投資することに前向きになっていました。
昔からギャンブル好きだったこと、人がやったことないことにチャレンジするのが好きだったので「面白いかも…」と思ってしまったのです。
投資資金として350万円を請求されました。もちろん新卒1年目なので、350万円という大金は手元にありません。
そのため、300万円を銀行カードローンで準備しました。
消費者金融では、年収の3分の1を超える借り入れは総量規制によって制限されているため、新卒1年目の収入では300万円を借り入れることは不可能でした。
借入できてもせいぜい50万円程度です。
しかし、銀行カードローンは総量規制対象外であるため、年収と同じもしくはそれ以上の借入ができました。
現在は過剰な貸付によって破産する人が急増したので、こういった借入はできません。当時は問題が表面化していなかったので、2社から借入して300万円を準備しました。
残りの50万円は貯金を補填。
借入した金額と金利は以下のとおりです。
- 三井住友銀行カードローン:200万円(年10%の借入金利)
- 三菱UFJ銀行カードローン:100万円(年12.6%の借入金利)
まさに地獄。
ただし、借金は知り合いが代わりに返済することになっていました。
私はお金を借りただけで、自身にリスクはないと安易に考えていました。
「じゃあ、大丈夫か…」
300万円を借りましたが、返済してくれるという言葉に安心していました。
しかし、これが大きな間違いであったと気づかされるまでに、半年もかかりませんでした。
借金を自分で返済することを決意
知り合いが代わりに返済するという約束でしたが、投資して半年で返済が遅れることが多くなりました。
新規事業は複数人が投資しており、他の返済もその知り合いが1人でやっていました。
他の人から借りたお金で返済する自転車操業です。そんな状態だと少し歯車が狂えば、あっという間に返済が遅れるのは当然です。
私にカードローン会社から何度も電話があり、知り合いに連絡するも一向に返済してくれません。仕方なく自分で返済することが何度もありました。
「このままでは自分の信用情報が傷つく…」
そう思った私は、知り合いに渡していたカードを返してもらい自分での返済に切り替えました。
新規事業に投資する前に覚悟はしていましたが、現実になるとこれほど苦しいものだとは思いませんでした。
ここから10年という長い返済生活が始まることになります。
減らない借金
ここからは私が自力で返済していくことになりましたが、どれだけ返済してもなかなか借金は減りませんでした。
当時の年収は400万円程度です。
月収にすると月33万円で、そこから社会保険料などが引かれるので手取りは月26万円。
毎月のカードローン最低返済額は三井住友銀行カードローンが月25,000円、三菱UFJ銀行カードローンが月20,000円でした。
さらに、奨学金返済が月10,000円あります。
つまり、毎月55,000円は必ず返済しないといけません。
その他にも家賃・食費などの生活費もかかるので、貯金なんて絶対無理。
また、カードローンには利息がかかります。
三井住友銀行カードローン、三菱UFJ銀行カードローンの1回目返済後の元金・利息・借入残高は以下のとおりです。
カードローン名 | 利息 | 元金 | 借入残高 |
---|---|---|---|
三井住友銀行カードローン | 16,700円 | 8,300円 | 1,991,700円 |
三菱UFJ銀行カードローン | 10,500円 | 9,500円 | 990,500円 |
45,000円も返済したにもかかわらず、元金に充当されたのはわずか17,800円。残りの27,200円は利息として金融機関に吸い上げられてしまうのです。
この現実を知った時は本当に絶望しました。
いつまでたっても元金は減らないし、完済までには利息だけで元金の約1.5倍は支払わなければいけません。
債務整理も考えましたが、債務整理すると奨学金にも波及して両親に迷惑がかかります。両親には莫大な借金があることを話していなかったので、絶対にバレたくはなかったです。
そのため、債務整理せずに自分で完済する覚悟を決め、返済生活を継続しました。
借金で蝕まれていく精神
借金を抱えている人は分かると思いますが、借金は精神を蝕んでいきます。
毎日借金のことが頭から離れず、常にお金がない不安と戦わなければいけません。生活も常に節約を強いられるので、娯楽や贅沢もまったくできなくなります。
ギャンブルや浪費で借金を抱えたなら納得できるかもしれませんが、私の場合は浪費をしたわけではありません。新規事業に投資しただけでこのような生活を送る羽目になりました。
将来への不安と借金をしてしまった後悔に毎日押し潰されそうになりながら、過酷な労働環境の会社で必死に働き続ける日々でした。
「この苦しみから解放されたい」
そう考え、何度か自殺も一瞬だけ頭をよぎったがそれはできませんでした。両親や兄弟が悲しむし、借金ぐらいで死にたくありません。
精神が蝕まれながらもなんとか正気を保ちながら、頑張って返済を続けました。
そのおかげか、少しずつ借金は減っていったがその期間も長くは続きませんでした。
新会社の立ち上げで適応障害
新卒で入った会社は不満を溜めながらも4年半が経過しました。
「最低でも3年は同じ会社で働き続けるべきだ」という通説がありますが、その言葉に従い勤め上げた後、転職することにしました。その会社は国内メーカーと外資メーカーが業務提携を結んで立ち上がった新会社。
これまで田舎で閉塞感を感じていて、転職する会社は東京にあったので「新しい環境で仕事ができる…」と喜びながら転職したことを覚えています。
新会社は入社初日から大変でした。面接段階では「英語は使わない」と言われていましたが、初日から英語でのミーティング。
それまでビジネスで英語を使ったことがないので苦労しました。上司は外国人なので、英語でのコミュニケーションをしながら慣れない仕事を必死で覚えるという苦行。
最初は苦労しましたが業務で英語を使うことにも慣れ、業務自体は楽しかったです。しかし、人間関係でつまづいてしまいました。
部署には外国人の上司2人の他に日本人の上司1人と同僚5人がいました。同僚5人の中に男性が1人だけいましたが、その人とはウマが合わなかったです。
ミーティングでは毎回のようにダメ出しをされ、相談しても真摯な回答は得られませんでした。英語での慣れない業務に加えて、人間関係でトラブルになってしまい精神的に消耗していく日々。
転職してから3ヶ月ほど経った後にベッドから起き上がれなくなり、会社に行くことが難しくなってしまいました。そして、心療内科に行くと適応障害の診断。

その時点で、カードローンの残高は約250万円、奨学金も約300万円残っており、返済の道のりは依然として厳しいものでした。
「借金がある状態で適応障害になってしまうとは…」
しかし、私のメンタルは長い返済生活で鍛えられていたようです。
「諦めたら人生が終わる!」
そう思い、適応障害を治療しつつ在職したまま転職活動しました。
本社が東京にある製造業に内定が決まり、自分の地元にある工場で勤務できることになりました。
住信SBIネット銀行カードローンでの借換えに成功
精神を病みながらも転職活動をしていた最中に住信SBIネット銀行カードローンでの借換え申請をしました。
そのきっかけというのが、他の借金ブログで「借換えに成功した!」という記事を読んだからです。
当時の住信SBIネット銀行カードローンには「プレミアムコース」と「スタンダードコース」の2種類があり、プレミアムコースであれば200万円の借り入れでも金利が10%を下回る可能性がありました。
私が借りていた三井住友銀行カードローンと三菱UFJ銀行カードローンの金利は10%以上あり、プレミアムコースに加入できれば100万円以上の利息を減らせます。
転職活動で入った会社は大手企業の子会社だったこともあり、住信SBIネット銀行カードローンのプレミアムコースの借換えに成功しました。最終的には、200万円で金利6.49%での借換えです。
住信SBIネット銀行から新たに200万円を借り換え、その資金でまず三菱UFJ銀行カードローンの100万円を完済しました。この時点で、三井住友銀行カードローンの残高(仮に約150万円とします)と合わせて、借り換え後の借金総額は約250万円となりました。
しかし、転職後の新生活の準備や自動車購入費用も必要となり、借り換えた住信SBIネット銀行のカードローン枠から、あるいはそれまでの借入残高から都合150万円ほどが、それらの費用に充てられました。
金利負担は軽減できたものの、生活費や車の購入費用などがかさみ、借金総額は再び400万円に膨らんでしまったのです。
Webライターで借金返済にチャレンジ
精神を病んでしまった会社には5ヶ月在籍し、新しい会社に再転職しました。
業務はハードではなく、定時で帰れる穏やかな日々。落ち着いた日々を送り、適応障害も完治しました。
しかし、業務自体は未経験だったので、入社時の給料は安かったです。そのため、借金は最低返済額を払うのがやっと。
毎日節約しながら返済を続けましたが、これまでの借金返済で精神はボロボロです。
「もう収入を増やして借金返済するしかない!」
そこからすぐに行動しました。
副業に関する情報を集め、ひたすら熟考しました。世の中には様々な副業がありましたが、借金返済のためには選ぶ必要があります。
私が決めた条件は、以下のとおりです。
- 即金性が高いこと
- 完全在宅であること
- お金がかからないこと
- 仕事が豊富にあること
条件の中から様々な副業を検討して、行き着いたのがWebライターでした。
Webライターであればパソコン1台あればすぐに副業を始められ、仕事が完了するたびにお金がもらえます。ランサーズやクラウドワークスなどのクラウドソーシングにも仕事が豊富です。
ランサーズにプロフィールを作ってすぐにWebライターを始めました。当時はWebライターという職業自体があまり知られておらず、役立つ情報はほとんどありませんでした。
スクールやコミュニティはありましたが、投資するお金なんてありません。ネットに落ちている情報をかき集めて、独学で必死にやりました。
最初はタスク案件で徐々に慣れていき、次第にプロジェクト案件に応募。最初に受注したのは、文字単価0.6円の生活保護に関する記事執筆でした。
当初は何のノウハウもありませんでしたから、とにかくがむしゃらに取り組むしかありませんでした。
本業の仕事が終わってすぐに家に帰り、18時から24時まで執筆する日々。平日も休日も関係なく、毎日書き続けました。
帯状疱疹になって40℃の高熱で寝込む
本業と副業のダブルワークは、さすがに心も身体も限界でした。
Webライターを始めてから3ヶ月経ったある日、身体の左半身に帯状疱疹を発症して40℃の高熱を出して寝込みました。
大人が帯状疱疹を発症するのは比較的稀で、主に過度なストレスや深刻な睡眠不足が引き金になると言われています。原因はダブルワーク以外考えられません。
しかし、それでもWebライター活動を諦めませんでした。諦めてしまえば、10年以上は借金で人生を苦しめられることになります。
それだけは絶対に嫌。
帯状疱疹が治ってからもパソコンに向かい、案件をひたすらこなしました。
Webライターの収入だけで、月5万円以上を1年以上継続して稼げるように
独学でWebライターとして活動を続ける中で、圧倒的な作業量をこなすことにより、自然とスキルも磨かれていきました。
執筆スピードや文章表現、構成作成なども上手くなり、文字単価も1円、2円…と上がっていきます。
継続案件も依頼されるようになり、毎月5万円以上は稼げるようになりました。
「ここまで折れずにやり続けて本当に良かった…」
Webライター以外にもブログ運営にも取り組み、WordPress構築などのスキルも磨きました。
400万円の借金を4年で完済
Webライターによる副業収入も増えたので、手元に残るお金が増えていきました。
得られた副業収入は積極的に繰り上げ返済に充て、借金は目に見えて減っていきました。
そして、着実に借金を返済し、2022年4月に400万円の借金を4年で完済しました。
完済した瞬間は今まで感じたことない達成感で心が満たされるのを今でも覚えています。
借金を完済する道のりでは、不安や焦りといった精神的な苦痛と、返済という経済的な重圧の双方と戦い続けなければなりません。この2つと戦うのは並大抵ではないし、心が折れて間違った方向に転がり落ちていく人も多いです。
そのような厳しい状況下で、「Webライター」という副業の可能性を信じ、ひたすら走り続けることができた経験は、私にとって大きな自信となりました。この経験があるからこそ、これからどんな困難に直面したとしても、きっと乗り越えられると信じています。
自分を信じれば借金は完済できる
ここまで私の借金体験談を綴ってきましたが、執筆中も当時の辛い記憶がよみがえり、胸が締め付けられる思いでした。
やはり借金生活は心を蝕んでいて、本当に苦しかったからだと思います。今でもあの苦しみは忘れられません。
しかし、諦めずにコツコツ返済すれば必ず借金は完済できます。
だから、借金に苦しんでいる人は諦めないでほしいです。自分を信じて諦めなければ、必ず完済できます。
この体験談を読まれた方が、人生を立て直すための一助となることを切に願っています。